兼六園は水戸市の偕楽園、岡山市の後楽園と並ぶ
日本三名園のひとつに数えられる庭園。
5代目藩主・前田綱紀に始まり、代々藩主が財力を投じ、
180年の歳月をかけて完成された兼六園は
11万4000平方メートルもの広さがあり、
四季折々の美しさが楽しめます。
大正11年(1922年)、国の名勝に指定。
そして昭和60年(1985年)には、
名勝から特別名勝へと格上げされ、
庭園の国宝ともいえる最高の格付けを得て、
2009年にはミシュラン三つ星にも選ばれました。
・・・が兼六園の六ってなんなんでしょ?
ラッキー7の七で兼七園とか
末広がりの8で兼八園じゃだめなのかしら?
とバカバカしいことを思いながら
兼六園について考えてみました。
兼六園の意味
「兼六園」とは、漢字を見ると、見ての通り
”六つを兼ね備えている園”と書きます。
兼ね備えている六つのものは、「六勝(ろくしょう)」
と呼ばれるものです。
「六勝」は中国の宋の時代の書物
「洛陽名園記(らくようめいえんき)」に
起因すると言われている。
広々としたしたさま(=宏大)を表そうとすると
静寂や奥深さ(=幽邃)に欠け、
人工的なもの(=人力が勝れば、
古びた趣(=蒼古)が乏しくなる。
水の流れ(=水泉)を多くすると、
遠くの眺め(=眺望)がえられない。
庭園でこの六勝をかなえるのは難しく、
洛陽の湖園のみが
すべてを兼ね備えている。
と書かれていて、湖園に引けを取らない名園として
兼六園と名付けられたと言われています。
兼六園の六勝とは
一勝 宏大(こうだい)広々として明るく開放的な景観。
二勝 幽邃(ゆうすい)山峡のような静かで奥深い景観。
三勝 人力(じんりき)人の手がかかっているということ。
四勝 蒼古(そうこ) 古びた趣や自然
五勝 水泉(すいせん)池や滝などの美しい水の景観。
六勝 眺望(ちょうぼう)街や山々を見渡せること。
そしてこの六勝は相反するものでもあり、
兼ね備えるのが難しいとされています。
宏大(こうだい) ⇔ 幽邃(ゆうすい)
人力(じんりき) ⇔ 蒼古(そうこ)
水泉(すいせん) ⇔ 眺望(ちょうぼう)
ここだけはおさえておきたい!六勝の風景
時間のない駆け足観光でもここだけおさえておけば楽勝!の
六勝ポイントです。
一勝 宏大
宏大な池に佇む兼六園のシンボル的ことじ灯籠
霞が池に佇む2本脚の灯籠。
琴の弦をを支える琴柱に似ていることからこの名前がついた。
兼六園に来たら撮っておくべき記念撮影スポット。
ガイドブックに必ず出てくる風景ですが、想像よりも小さく
見過ごしそうになるかも。
二勝 幽邃
物静かで奥深い幽邃な風景の瓢池(ひさごいけ)。
5代藩主前田綱紀の時代に兼六園の作庭が始まったとされる場所。
池には不老不死の島と呼ばれる神仙島をかたどった2つの島がある。
三勝 人力
人の手がかかっている日本に現存する最古の噴水。
噴水よりも高い位置にある霞ヶ池から水を引き、
逆サイフォンの原理で自然の水圧で噴き上がっている噴水。
江戸時代からあるようで、江戸時代の人って賢かったんだなぁと
関心せずにはいられない場所です。
四勝 蒼古
侘びた趣や自然のままの様子が感じられる根上松(ねあがりのまつ)。
高さ15mのクロマツで盛り土に植えられ、
成長後土をのぞかれたために
根元が2mほどむき出しになっている。
冬場の「雪つり」を施した姿も圧巻です。
五勝 水泉
美しい水の流れの曲水(きょくすい)。
辰巳用水から引かれた水が園内をゆるやかに流れている。
花見橋では、桜、ツツジ、カキツバタと季節折々の
風景が楽しめるので、ゆっくり渡って満喫してください。
眼の錯覚なのか花見橋あたりの場所で水の流れが、
下流から上流へと逆流しているように見えるのは私だけ?
六勝 眺望
金沢の街を見渡せる眺望台。
眼下に金沢の街並み、正面に卯辰山、遠くは医王山を、
天気がいい時は日本海まで見渡すことができる。
桜のシーズンは眺望台から眼下の桜の木を見渡せる
絶好のお花見スポット。
4月には写真のグリーンの部分がピンク色に染まります。
団体旅行の方の集合写真もこちらで撮るのがお決まりの場所
というくらいの撮影スポットです。
兼六園基本情報
アクセス
〒920-0936 石川県金沢市兼六町1
TEL:076-234-3800/石川県金沢城・兼六園管理事務所
公共交通機関利用
JR金沢駅よりバス利用
北鉄バス11・12・91番系統などで15分
金沢駅金沢城公園(石川門口)・兼六園(桂坂口)
金沢駅 広坂」下車 金沢城公園(玉泉院丸口)・兼六園(真弓坂口)
金沢駅 出羽町」下車 兼六園(小立野口) 兼六園下」下車
城下まち金沢周遊バスで15分
「兼六園下(石川門向い)」下車、徒歩すぐ
車利用
北陸道金沢東ICから国道359号経由6km12分ほど。
北陸道金沢西ICから国道8号経由9km15分ほど。
北陸自動車道 金沢森本ICから約20分
駐車場
兼六駐車場 普通車482台
金沢市小将町1-53 TEL.076-263-1814
兼六駐車場料金
最初の1時間350円 超過30分毎150円
22:00~翌8:00
1泊1,030円
ガイドマップ・兼六駐車場案内PDF
周辺にもコインパーキングがたくさんありますが、
観光シーズンは兼六園周辺アリアの駐車場は
どこも混みあっています。
akippaでは付近の駐車場空き状況や料金が見れ、
会員登録をすると駐車場が予約できます。
金沢城公園の障がい者用の駐車場について
管理者専用出入口である甚右衛門坂口から入った
お宮広場にスペースが確保せれているので、利用される際は、
あらかじめ管理事務所(TEL. 076-234-3800)
に連絡するといいですよ!
玉泉院丸庭園(玉泉庵)のご利用では、
いもり堀横の園地にある障がい者専用駐車場が利用できるように
配慮されています。
車いす専用駐車場案内PDF
兼六園利用案内
兼六園の有料開園時間
10月16日~2月末日 8:00~17:00
3月1日~10月15日 7:00~18:00
定休 無休
入園料
大人(18歳以上)310円
小人(6歳~18歳未満)100円
入園料免除の方
●65歳以上の方
公的機関が発行する運転免許証・保険証等で
年齢証明の提示が必要です。(コピー可)
●障がい者の方
身体障害者手帳、精神障害保健福祉手帳、
療育手帳の提示が必要です。(介護者1名も無料)
●その他の方
生活保護施設、身体障害者更生養護施設、児童福祉施設
または老人福祉施設に入所している方で、
その旨を証する書面を所持する方。
●県民観賞の日
石川県民は、毎週土・日曜日は入園料免除となります。
ただし、公的機関が発行する運転免許証・保険証等で
県民である証明の提示が必要です。(コピー可)
早朝無料時間帯
通常の有料時間15分前に退園しなくてはいけませんが、
早朝だと無料になります。
3月1日~3月31日 早朝5:00~(6:45までに退園)
4月1日~8月31日 早朝4:00~(6:45までに退園)
9月1日~10月15日 早朝5:00~(6:45までに退園)
10月16日~10月31日 早朝5:00~(7:45までに退園)
11月1日~2月末日 早朝6:00~(7:45までに退園)
※早朝入園口は蓮池門口・随身坂口のみ
兼六園を見るための所要時間はだいたい90分くらいかかるので
少し急ぎ足観光になるかもしれません。
まとめ
兼六園の名園のおさえておきたい六勝のみの紹介でしたが、
実際はもっとたくさんの見どころがあり、ゆっくりじっくり
まわると所要時間90分では足りない位です。
ぜひあなたの目で見て、あなただけのお気に入りスポットを
見つけてくださいね。