大晦日の夜、深夜0時をまたいで寺院に除夜の鐘の音が鳴り響く。
紅白歌合戦ゆく年くる年になる瞬間です。
あ~1年終わったなぁという切ない思いと、
新しい年が始まったなぁと引き締まる思いとが
入り混じる時間帯ですね。
大晦日や除夜の鐘には一体どんな意味があるのでしょうか?
年越しそばいがいに他にもどんな行事があるのでしょうか?
大晦日、除夜について
大晦日の夜から元旦にかけてを「年越し」といい、
旧年の災いを除くと言う意味でも除夜とも呼ばれます。
昔は大晦日の夜を「年ごもり」とも呼び、
大晦日に早寝すると歳神様をお迎えするのに
失礼に当たるとされていて、
家や神社で一晩中起きて歳神様をお迎えする習わしがありました。
遅くまで起きて除夜の鐘を聞くことはこの慣習の名残りなのです。
除夜の鐘の「除夜」とは、「除日の夜」を指します。
「除」という言葉には、古いものを捨てて
新しいものを迎えるという意味があります。
一年の最後の日、その後新年を迎える日となる大晦日は「除」の日、
「除日」とされています。
「除日」の夜「除夜」=大晦日の夜ですね。
除夜の鐘とは、大晦日の日の夜に撞かれる鐘、の事を指しているのです。
除夜の鐘の意味。鐘をつくのはなぜ108回?
人間の抱える人の煩悩が108種類あることから、
煩悩を取り去るために鐘を108回鳴らすのです。
これは諸説あるが、仏教の教えに基ずくものとされていて、
煩悩と同じ数だけ鐘を突くことで、人間の罪業を消滅させ、
色々な欲を断ち切り、新たな気持ちで
迎えるためのものとされています。
この風習は中国から伝えられ、
鎌倉時代に日本に伝わったと言われ、
当初は毎朝と夕方に鳴らしていたようですが、
現在では除夜の日だけになりました。
そりゃ、これだけライフスタイルが多様化した今では
朝晩108回鳴らしていたら、近所迷惑になるよね・・・。
108の煩悩とは?
煩悩とは人間を悩ます悪しき心のこと。
人間の身体には6つの感覚の六根があり、それを感じる3つの状態に分れ、
2つの程度があり、3世に渡ると言う説が有名。
( ゚Д゚)ハァ?
全然意味がわかんないです。ハイ。
欲にまみれまくってる人間さん、もっと詳しくみていきましょうね~!
人間の感覚器六根
眼・・・視覚
耳・・・聴覚
鼻・・・臭覚
舌・・・味覚
身・・・触覚
意・・・知覚
人間が持ってるとされる6つの感覚
六根を感じる状態三不同
好・平・嫌
好き、普通、嫌いの3つの状態
三不同を感じる程度の二種
染・浄
好き、普通、嫌いの3つの状態の感じ方は
穢れる(けがれる)と清めるの2通り
人間を煩わす3世
過去・現在・未来
それらが過去・現在・未来に渡って人間を煩(わずら)わす
6×3×2×3=108となるそうな。
もっと悪業がずらずらと出てくるかと思えば、
人間の欲も一ケタの掛け算で表せられると思えば、
ちょっぴり可愛らしいようにも思えてきます。
この108の煩悩が108回の鐘を打つことで断ち切って
くれるのですね。
年越しの祓(はらえ)
神社では、6月末日と12月末日に大祓の行事が行われます。
新年を前に知らず知らずのうちに溜めていた
身の不浄や穢(けが)れを祓い、身を清め災厄を避ける行事で
各地の神社で行われています。
茅(かや)で作った輪をくぐり抜けて穢(けが)れを祓う
「茅(ち)の輪くぐり」や
白紙で作った人形に住所・名前・生年月日を書いて、
息を吹きかけて体の穢れを移し、それを神官がお払いを行って、
川や海に流したり、かがり火を焚いたりして、健康と厄除けを祈願します。
除夜祭
大晦日の夜になると除夜の神事である「除夜祭」が行われる。
「除夜祭」は1年の終わりを締めくくるお祭り。
行く年を無事過ごせた感謝と身心を清める事でよき新年の訪れを
祈ります。
地域によっては水行を行うところも。
私たちに身近なのは縁日の出店や甘酒の
振る舞いがあることでしょうか。
年越しそば
年越しには欠かせない「年越しそば」ですが、
そばの風習は忙しい師走の暮に慌ててそばを食べる
「三十そば」に始まったとされています。
「細く長く」という事から、健康長寿、家運長命とされる
縁起物とされ、慌ただしい中でも簡単に作れることから
定着したと言われている。
香川県などでは年越しうどんが主流で、そばは「細く長く」だが、
うどんはそばよりも太いのでさらに縁起のよいものだとされている。